診療圏調査と開業地の選定
開業地の選定は、開業後の患者数を確保する上で最重要課題といえるでしょう。各先生方の多くは慎重になり過ぎてなかなか決定できないようですが、人口動態データにのみ頼らず、周りの医療機関の状況も観察しながら自分自身がどのようの〝攻める〟のかを熟考した上で結論を出す必要があるでしょう。 あと、どうしても独りよがりになりがちですので、複数の人の意見に耳を傾け、あらゆる角度から検討を重ねながら、それぞれの先生に合った最適地を見つけ出しましょう。スタートダッシュも大切ですが、将来の〝街の動き(発展・衰退)〟も視野に入れながら長期的な展望も加味しながら決定を下さるべきかと思います。
診療圏調査
診療圏調査は当たるのか?
人口密度・年齢・男女比や近隣医院の状況等の資料は参考にはなります。
しかし、最終的な結果は、「先生自身の力」と「開業戦略」によるところが大きいと思われます。
診療圏調査はなぜ必要か?
- 融資交渉時に金融機関は調査結果を重要視しています。
- 先生の「心の安心」が得られる。
開業地の選定について
開業地の選定時のポイント
- 元々、集客地に立地している閉鎖された金融機関、コンビニの跡地は意外と穴場。
- クリニックビルは他に入居予定者の状況も確認しておくこと(テナントが埋まらない場合の対応)。
- 大型ショッピングモール併設型は、施設自体の「集客力」に左右されるため十分な検討が必要。
- 流行っている医院の近くでの開業は、対象患者数が多いので検討する価値あり。
- 自宅からの通勤時間は1時間位が限度。
テナントか一戸建てか?
テナント(ビル)開業
交通の便利さや立地条件など、豊富な物件があり選択肢が広がります。
テナント(ビル)開業
- 親族から土地の提供を受ける(借りる)場合
- 郊外型で土地の確保が比較的しやすい場所
- 開業までの住まいが「賃貸」である場合(住居併設型)
勤務先病院の近くでの開業の注意点
元患者の来院も期待でき、立ち上がりは良いですが、それ以降の広がりは別問題です。
開業後半年以降は、医院(先生)の真の評価が問われます。
標榜科目と名称
標榜科目
標榜科目は自分の強みを表現すると同時に、
患者層の拡大や経営的な視点からも非常に重要な項目の一つです。
競合医院の多い都市部
競合医院の多い都市部は、専門性を強調するために比較的少ない標榜科目が主流です。
「消化器内科」、「循環器内科」 等
郊外型・農村部
郊外型・農村部は、家庭医的な意味合いも必要なことから、幾つか複数の標榜科目を掲げられる医院が多く見られます。(例えば、一つの医院で「内科、小児科、外科、皮膚科」を標榜)
法的な規制はありませんが、近隣の同一診療科の既存医院への配慮は必要になります。
名称
都道府県による指導の差があるので、目新しい名称をつける場合には、
行政へ事前確認しておく事をおすすめします。
注意が必要な名称
「ハート」、「メンタル」、「レディース」、「ブレスト」、「ウィメンズ」、「チャイルド」、
「キッズ」、「ファミリー」、「デンタル」、「女性」など